元吉動物病院 老齢介護
□ 老齢介護について
最近は犬や猫の寿命も延びて、慢性疾患や認知障害などで介護が必要になるケースは少なくありません。
犬や猫も人間と同じ。年をとると足腰が弱ってきたり、目や耳の機能が衰えてきたりと、様々な老化現象が起こります。
ただ私たち人間と違うのは、自分で対処ができないということです。
しかも、私たちよりも早く年齢を重ねます。
飼い主さんにとってわが子同然のペットには、少しでも長く元気で快適に過ごしてもらいたいもの。
そのためには、老齢期を迎えたペットに現れる変化とケアを知っておくことが大切です。
特に気をつけたい老齢期の病気には次の4つがあります。
1. 歯の病気 … 歯周病や歯肉炎
2. 心臓の病気 … 弁膜症など
3. 関節の病気 … 椎間板ヘルニアや変形性関節症などの骨・関節症
4. ホルモンの病気 … 甲状腺機能低下症など
これらの病気を上手にコントロールして、快適な老齢期を過ごしてもうらいましょう。
□ 食事について
◆肥満に注意しましょう
ペットが欲しがると、つい余分に食事を与えてしまう飼い主さんもいるようですが、肥満は大敵。生活習慣病や心臓などの病気の引き金になるのは人間の場合と同じです。また、関節や呼吸器への負担も大きくなり、老化を早めることになってしまいます。
ペット自身の負担を軽くし、寿命を延ばすためにも、太らせないのが最大の愛情です。
◆年齢に合った食事管理をしましょう
ペットの健康を考えて、年齢に応じた食事管理が大切です。
老齢期に入ると内臓に衰えが現れ、必要なエネルギー量も減ってきます。そのため、7歳前後をめどに、きめ細かく食事を切り替えましょう。また、消化吸収力が落ちているので、食事は数回に分けて規則正しく与えるようにしましょう。
当院では良質なシニア用フードを販売していますので、お気軽にご相談ください。
◆定期健診で早期発見・早期治療
ペットの病気は人間よりも進行が早いため、早期発見・早期治療が何よりも大切です。
老齢期のペットがかかりやすい病気の予備知識があれば、日常生活の中のちょっとした変化からペットの不調を発見できることがあります。
あわせて、定期的に健康診断を受けさせることで、積極的に健康管理を行ってあげましょう。
□ リハビリ
リハビリを行うのは、手術後だけではありません。
ペットも加齢がすすむと、足腰の筋力が衰えて、歩行が困難になったり、踏ん張りがきかず立っていることが苦痛になってきたりします。
また、関節炎などの関節の病気や手術のあとで寝たきりなってしまうことも少なくありません。
リハビリの目的は、ペット自身の体力や筋力を向上させることで、けがをしたり寝たきりになったりすることを防ぎ、さらに手術後などの衰えた筋力を回復させて、できなくなったことを再びできるように導くことです。
当院では、個別に最適のリハビリプログラムを作成し、食事も含めた指導を行っています。
大切なのは、毎日の積み重ねです。リハビリには飼い主さんの協力が欠かせませんが、当院では飼い主さんとペットが病院だけでなく家庭でも無理なく楽しく続けられるリハビリの方法をご提案させていただきます。それによって、ペットとのコミュニケーションも増え、絆もさらに深まることでしょう。
まずは気軽にご相談ください。
□ ホスピス
本来、ホスピスとは死期が迫った患者さんに対し、延命措置のための治療ではなく、体の痛みや心の痛みを和らげる治療を第一に考えていくという考え方で、これをペットに当てはめたのがペットホスピスです。
大切な家族であるペットの最期をどうしてあげられるのか…。
当院では、ペットの死期をいたずらに早めたり遅らせたりするのではなく、安らかな最期を迎えられるようにケアを行なっていきます。